こんにちは、IverAviと申します。
当ブログは、仮想通貨初心者向けにクリプト知識をできるだけわかりやすくをモットーに解説する記事をあげています。
さて、皆さんの中には今頃、普通に会社勤めして上司の顔色を伺いながら、毎日を過ごしている方がいないでしょうか?
そのような環境が原因で、仕事にやりがいをなくしてしまっている方々が少なからずいるのではないでしょうか?
大抵の社会人のストレスは、「人間関係」からくるものです。
しかし、今回のテーマとなる「DAO」は、そのようなわだかまりを解消できるかもしれません。
「DAO」は組織というものの定義を根本的に変えてしまう可能性のあるデジタル技術を使った社会変革(デジタルイノベーション)です。
そんな組織の未来に賭けて、できるだけわかりやすく解説していきますので、どうぞよろしくお付き合いいただければ幸いです。
分散型自律組織「DAO」の基本と仕組み
DAO(Decentralized Anonymous Organization)は、ブロックチェーン技術を使って運営されるネットワーク組織です。高度にプログラムが組まれたコードを使用することによって、各組織で作られたルールや規則を構築しています。
DAOの基本的な仕組みとして、スマートコントラクト機能が組み込まれて運用されています。
今までは人が間に入ることで、理不尽なことや無駄が生じていたものが、今後はブロックチェーンによって解決される道が開いてきています。

ブロックチェーンのスマートコントラクト機能を活用することで、人に委ねられていた決定権・業務などを代わりにこなしてくれるようになり、あらゆる側面において効率のよい「自動化された組織づくり」が可能になります。
もともとビットコインのような暗号資産を参考にした中央管理者のいない、より力が分散されたシステムを採用しています。
一般的な組織・会社とは異なり、社長や上司、役員会などが存在せず、1人や少人数に権力が集中することのない、あくまでもプログラミングされたコードがルールブックに則って実行される仕組みとなっています。
今までの組織で当たり前だった「社長権限」「上司のえこひいきやさじ加減」など、そういったややこしいものはまったくなく、逆に個々の「DAO」に貢献すれば、明確なルールブックに基づいて暗号資産(トークン)などが報酬として平等に分配されていきます。
「DAO」はまさに、近未来的な組織構造を生み出す可能性を秘めているのであります。
DAOが機能する条件
DAOが機能していくためには、次のような方針づくりが求められます。
- 明確なルールブック
- 特定の活動での報酬の還元・分配
- DAOの運営にまつわる変更・改善が必要な時の投票ルール
- 組織メンバーが安心できるセキュリティ
まず大前提として、スマートコントラクトでプログラミングされた後、誰でも参入可能なDAOの出資者を集めるための「資金調達フェーズ」に入ることが必要です。
そして、連携されたトークンを購入することで、ユーザーはその保有量に対して、DAOの方針の変更や改善などを決定する投票権の権限が与えられます。
まさに「株式(企業株主)」同様、トークンを保有すればするほど、特定のDAOに対してより多くの影響力を行使することができるようになります。
メリット
DAOの組織形態としてのメリットは、大きく分けて4つが挙げられます。
自律したシステム

DAOはルールに沿って自動的に遂行されるシステムを採用しています。
例えば、「従業員の昇給」や「在庫管理」など、そういった人が指示して議論する行程が必要なくなります。
プログラミングされたコードが組織全体を動かし、誰も頼ることのない自動化されたシステムであれば、誰か重要なメンバーが辞めてもスマートコントラクト機能は問題なく稼働します。
それも1人の力では止めることはできないので、健全な組織運営ができるということです。
オープンソース

DAOを動かすのにどんなコードや仕組みが使われているか、誰にでも見られる記録が開示された環境が整っているので、非常に透明性が高いと言えます。
仮にコードのバグや改善が生じても、外部の人間からの指摘が容易となり、柔軟に対応可能になっています。
ただこれはプログラムのコードが丸裸状態であることを意味しているので、情報が悪用されるケースも少なからず存在します。
非中央集権

DAOはできる限り力が分散された組織づくりを目指す集合体です。
個人に権力が集中するよりも、集団の力を優先するのが第一条件です。
従来の組織では社長や役員会などが最終決定を下す立場にあり、平社員などはその決定に従うしかありませんでした。
社長が巨額な報酬を得ている一方、平社員は最低賃金での年収しかもらえないなど、組織(=社長)の意向が最優先される中では、どうこうできる問題ではありません。
ところがDAOにおいては、組織の方針を決定する権限が均等に分配されたいるため、個人の意見が反映されやすい仕組みとなっています。
何かしら不公平な状況が生じた場合、投票によって給料を上げたり下げたりするなど、組織の意向は集団によって決定づけられ、まさに本当の意味での「民主主義」が根付いていると言えます。
コミュニティ

DAOはネット環境にある者ならば誰でも参加可能で、同じ思惑の人同士でより緊密なコミュニティが築きやすくなっています。
現代の企業や組織では、何かしらのしがらみや“工作”の思惑で一致団結するのは困難なことでした。
しかしDAOでは世界中から同じ目標に向かって歩む同志が集まり、意見を反映させることができる組織づくりが可能となります。
まさにこれまでにはないメリットがあるのが、DAOコミュニティの特徴の一つと言えるでしょう。
デメリット
しかしながら、そんなDAOにも穴はあります。
当然ながら、まだ未成熟な業界であるため、今後大きく展開されるための課題とも言えます。
セキュリティ

DAOはブロックチェーンが基盤となっているため、それに依存せざるをえないが故のリスクがあります。
DAOのすべての構造は、プログラミングされたコードに穴・バグが生じないのが前提で成立していなければなりません。
仮に小さな抜け穴があると、そのセキュリティの網をかい潜ってハッキング攻撃を受けてしまい、非常に脆弱なシステムとみなされてしまいます。
先ほども触れたように、オープンソースな構造上コードが公開されているため、情報は筒抜けです。
悪巧みする連中にとっては、DAOの貴重な情報は格好の的となってしまいます。
過去の事例では「The DAO」というイーサリアム上のDAOが、非常に高度な抜け穴をハッカーに探知され、一気にセキュリティシステム内に侵入されたことで、50億円相当のETHが盗まれてしまったという事件が起きました。
DAOの万全な体勢を維持するには、高度な専門知識の高いエンジニアが必要となり、人件費やシステムの維持費などの面で大幅なコストがのしかかってきます。
「2段階認証」などの対処方法もあるようですが、それだけで高水準なシステムに達成するには、まだ程遠いとのことです。
迅速な行動ができない

DAOは民主的な運営方法をとってはいるものの、何かしらの緊急時で変更や対策が生じた場合、即座に対応できないという点があります。
DAOが大きくなればなるほど、よりグローバルなメンバーが増え、時差の関係で緊急の投票を行うどころか、メンバーが最新情報を知るのにかなりのタイムラグが発生してしまいます。
従来では企業のトップが即座に決断を下せば、すぐに社内情報は伝達され、迅速な対応は可能です。
このようにDAOでは実行スピードに欠陥が生じるため、今後の改善テーマとなっていきます。
法律の問題

DAOだけでなくブロックチェーン技術やプロジェクト全般に関わることですが、常に法律が後追いしている形です。
長い目で見れば問題ないとは思いますが、目まぐるしく変化する業界ですので、投資を見当している方は常にリサーチが必要になってくる分野です。
なんだかんだ言っても国が革新的な事業に規制をかけてくるのには注意を払っておいた方がよさそうです。
活用事例
多くの分野に応用されてくるであろうDAOは、現代のテクノロジーの時代には欠かせない運営手段となってくるはずです。
- 主な活用事例としては3つ
- 投資
- クラウドファンディング(『FiNANCiE』など)
- NFT購入

アメリカのNBA(世界最高峰のバスケリーグ)では、「Krause House」というDAO組織が買収を試みた形跡もあります。
金持ちがオーナーになるのではなく、実際のファンたちによって運営され、文字通りクラブのファンというコミュニティがチームの今後の決断を下すという意味では理に適っており、まさに「非営利団体」の実例と言えるでしょう。

他にも最近では、ホリエモンやZOZOTOWNの前澤社長などの名だたる実業家が参加する、『FiNANCiE』という有名なプラットフォームでも、プロジェクトに貢献するコミュニティの「サポーター(支援者)」に独自のトークンを報酬として平等に分配するという、DAOの形式に則った「トークンエコノミー」というビジネスモデルが台頭してきているのも注目に値します。
まとめ

以上が『DAO(分散型自律組織)』についての基礎知識となります。
他にも海外のDAOの実用例はたくさんあるのですが、ここでは省略させていただきます。
以下まとめになります。
- 「DAO(分散型自律組織)」とは、ブロックチェーン技術を活用したネットワーク組織。
- DAOはスマートコントラクト機能によって運営されている。
- DAOのプロジェクトに貢献すれば、暗号資産(トークン)などの報酬を受け取れる。
- 株式同様、トークンの保有量次第でコミュニティの決定権を持つことができる。
- DAOのメリットとして、「自動化されたシステム」「透明性の高さ」「非中央集権型」「コミュニティ幅が大きい」などがある。
- デメリットとしては「ハッキング攻撃に対して脆弱」「緊急時には不向き」「規制等法律の問題」など、今後の発展のための課題がまだ残っている。
- 実際に「アメリカでのDAO組織」「トークンエコノミー」など、日常的にDAOが利用され始めている。
DAOはまだ日が浅く、投資や助成金の資金調達など金融の分野で熱を帯びていますが、今後身近なところで具体例が増えてくるのは必然でしょう。
セキュリティや法律など、まだまだ課題が残る一方で、多くの人がDAOの新たなシステムを「組織の未来」として、従来のビジネス構造に取って代わることは必須となっていくことでしょう。
以上となります。
長文・駄文ここまでお読みいただきありがとうございました。🙇
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