お金の仕組みは破綻している ー ビットコインの台頭

ビットコイン

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こんにちは、IverAviです。

当ブログはクリプト知識をできるだけ多くの人と共有するため、初心者にもわかりやすい記事を挙げています。

7月10日、ビットコイン価格は11.2万ドルと史上最高値を更新しました。

トランプ政権の無謀とも言える関税政策が世間を賑わしている最中に、相場は新たな展開を迎えようとしています。

そもそもの話がなぜビットコインはここまで必要とされているのでしょうか?

それを紐解くには「お金に関する歴史」を学ばなければいけません。

今回は「お金の歴史」から「ビットコインの台頭」までをざっくりと解説していきたいと思います。

どうぞよろしくお付き合いいただければ幸いです。🙇

制御不能な紙幣増刷

現在先進国では、国による制御不能な支出(歳出)により、財政が立ち行かなくなってきている状況が続いています。

そもそもな話、政府(中央銀行)の支出というのは、国家権力を強め、財政の安定をわざわざ図らないことで、経済をコントロールしやすくすることを意味します。

そのため国は、たびたび市場へお金をばら撒くことで、「債務(国の借金)」や「財政赤字」、「インフレ(物価高)」などをまったく気にとめることはありません。

支出というのは紙幣の増刷のことであり、それを延々と続けることで、国民や企業が政府に依存せざるをえない状況を作り出します。

当然のことながら、お金を大量に刷ってばかりいれば、人々の貯蓄や賃金の「価値」は失われ、インフレを呼び込んでしまいます。

インフレは政府にとって、庶民(労働者)からお金を吸い上げるシステムとして機能し、財政の負担を増税によってまかなう口実として使われます。

そして、増税は消費の停滞を招き、ますます税収が減ることで財政赤字は膨らみ、国の多額の借金を正当化するために打ち出されている政策です。

賃金が上がらない上に、インフレ+増税というような状況となれば、人々は仕事して働いた分の報酬を国や大企業(株主)に吸い上げられ、延々と貧困のループから抜け出せなくなります。

そういった意味で、紙幣の増刷による依存体制は、政治家や銀行家、大企業などの少数の人間に富を集中させ、ますます庶民が負債を背負わされるという構図が出来上がってしまうのです。

お金は支払いや貯蓄のための台帳(帳簿)

長い目で見れば、テクノロジーの発展によりモノは大量生産されることで物価は安くなるはずなのですが、国や中央銀行の方針により緩やかな物価上昇が健全とされ、その多くのお金がシステムを回している側の人間に流れ込む仕組みとなっています。

お金というのは、人々全員に多大な影響を与え、契約を結んだり、経済活動を調整したり、将来のための貯蓄を保証する「手段」です。

世界の生活水準は多くの面で改善したものの、未だ人々にとってお金のシステムは破綻しています。

お金の歴史

古代の貨幣システムは、通常「モノ(商品貨幣)」と「信用」が組み合わさる形で成立していました。

当時の貝殻や真珠などといった「モノ」は、自然界の法則によってその特徴とルールを管理する「記録」として表現され、社会の基本ルールを定めるのに役立っていました。

そして、他人の記憶や負債に依存せず、価値を独立して保管する方法でもありました。

そのうち時が経つにつれ、中世では様々な契約というものが、人間によって口頭または文書で管理され、当事者間での取引を効率化するために役立ちました。

これが銀行の台頭へとつながっていきます。

銀行の裏切り

銀行は、お金を効率的に管理していることを顧客(商人)に信頼させる必要がありました。

かつての「金」を通貨単位とした「金本位制(19C〜20C初頭)」の銀行システムでは、顧客は預金と銀行券(引換券)が要求に応じて引き換え可能であると信じていました。

しかし、当時の銀行家たちは度々その信頼を裏切っていたのです。

ほとんどの人が全ての金が一度に引き換えることはないと予測して、銀行は一部の金を貸し出し引換分の「わずかな量」しか保管していなかったのです。

そのうち、金の保有量以上に多くの「預金証書(金の所有権)」が存在することになったのです。

これが私たちがいつも使っている「紙幣」の始まりとなります。

一時、その仕組みで回すことはできますが、時がくれば破滅的な崩壊を引き起こすことは明白でした。

金本位制の終わり

1870年代には、電信機やその他の通信手段によって、金や銀などの物理的な「モノ」に依存しない取引が頻繁に行えるようになっていきました。

この頃、ロンドンを中心に政府による権力の集中(中央集権化)が進み、中央銀行(FRBなど)を通じて効率的な取引が行われるようになりました。

中央銀行は、紛争や戦争時に政府を支援するために設立され、国から独占的な地位を与えられていました。

当時は全ての銀行から準備金(預金証書)を中央に集め、金融危機の際に利用可能な準備金以上に過度な請求が顧客から行われることで、銀行間の相互不信をおき、システムは崩壊を招くことになっていました。

それを防ぐ手段として、中央銀行は度々紙幣を増刷し、その価値を低下させ、金との連動を解消することでインフレを引き起こしました。

そいてWWⅠ(第一次大戦)を皮切りに、戦費調達のための紙幣が増刷され、金の引き出しが正常に行われなくなったのでした。

戦費のために課税すれば反乱を招く恐れがあり、国は紙幣を過剰に刷ることで、通貨の価値を薄めるなどして、透明性の低い方法に頼って戦費調達をまかないました。

戦争があることによって、顧客が金に裏付けられた預金を持っていた場合でも、金の引き出しを断つ能力を簡単に実現できるようになったのです。

また、莫大な量の紙幣を刷ることで、国は金の保有量に制約されず、国民の資産が枯渇するまで、戦争を続けることができたのでした

結果的に、戦争が終わると国と中央銀行は、金本位制の通貨をやめ、新たにグローバルな金融システムへと移行し始めたのでした。

グローバル金融システム

グローバル金融システムは、異なる国々との間で国際貿易の決済を容易にするのが目的です。

そのため、国際貿易のための世界共通の準備通貨(基軸通貨)が必要となり、それぞれの異なる国同士の通貨の信頼を確立しなければなりません。

ブレトンウッズ体制(1940〜1971)

WWⅡ(第二次大戦)で金本位制が完全に崩壊し、戦後多くの国が被害を受けた中、世界経済の40%を占めていたアメリカが新しい国際金融システムの中心地となりました。

ニューハンプシャー州のブレトンウッズで開かれた会議において、将来の国際金融システムの設計を議論し、すべての通貨と金を米ドルと連動させるようにしました。

この時、金の交換は海外の中央銀行以外ではできなくなっていました。

しかし時が経つにつれて、米ドルは世界中に氾濫したため、ニクソンショックで金とドルは交換停止となり、結局システムは崩壊するにいたるのでした。

ペトロダラー体制(石油ドル体制)(1970〜)

1971年以降、米ドルは「無担保の通貨システム」へと移行しました。

アメリカ(1974年ニクソン政権)は自国の経済力と軍事力、そして米ドルによる金融ネットワークを武器に、世界有数の産油国であるサウジアラビアとの取引を開始しました。

サウジは独占的に石油を米ドルで販売し、その余剰金で米国債を買うことで、アメリカから軍事的な安全保障を受けることができるようになりました。

これによって他のOPEC諸国にも波及し、「ペトロダラー体制」が構築されました。

現在に至るまで世界中の石油や天然ガスなどのエネルギー取引は米ドルで行われ、そのままドルの基軸通貨体制は維持されている・・・はずでした。

ドル基軸通貨体制

19世紀からの電子機器の普及により、世界の金融システムは「権力の集中」と「現実離れ」を目の当たりにしてきました。

光の速度で取引が行われ、迅速で長距離の「価値の移転」が実質的に独占市場へと変化したのです。

物理的な移転をシステムから排除し、中央銀行の帳簿(バランスシート)に基づいてお金を定義することができるようになったと言えます。

その中心的な役割を今まで担ってきたのが「FRB(連邦準備銀行)」です。

現在世界では160もの異なる通貨があるとされ、実際に使えるのは自国内のみであり、国境を越えての取引は極めて限定的とされています。

先進国の通貨は緩やかに価値を失っていますが、その他国々のほとんどの通貨は急速に価値を失っています。

その世界の金融の柱となっているのは「米ドル」です。

日本を含む国々はドルを準備金(ドル建て資産=外貨準備)として持つことになり、国際貿易契約はドルで締結され、外国の債権者からドル建てで融資を受ける(借金する)ことになっています。

出典:日本経済新聞・nippon.com

これらはすべてのアメリカ国民に恩恵をもたらさず、国家としてのアメリカを優位にしています。(実質倒産状態ですが・・・。)

実際の外交戦術として、ドルの価値を低下(金融緩和)させることで、債権国の準備金の購買力を弱体化させたりできます。

また逆に、ドルを強化(緊縮財政)させることで、債務国の負債を増加させ、財政難に追いやることだってできます。(その負債をアメリカ様自身が被っているわけですが・・・。)

ハイパーインフレ

1980年〜1990年代の南米のアルゼンチン・ベネズエラ・ブラジルといったハイパーインフレを迎えた国々の通貨は、高確率で破綻リスクにさらされていました。

これらによって人々の貯蓄の価値が失われただけでなく、現地の通貨単位の賃金にも大打撃が与えられ、過去50年間で発展途上国が先進国の地位を得た事例はほとんどありませんでした。

そのうち途上国の間では、通貨の安定を図れず、外貨建ての融資に依存せざるをえない状況となり、返ってそれがその国の通貨の安定性をないがしろにし、ドルの基軸通貨体制からほぼ脱出不可能なサイクルを生み出してしまったのでした。

お金はほぼ意味をなさなくなった

基軸通貨ドルを維持してきたおかげで、裕福な国といえども、決してお金というものはほぼ意味を持つものではなくなってしまいました。

2016年〜2021年のヨーロッパや日本では、およそ18兆ドル以上のマイナス金利が発生し、その国々の国債は価値を失っていく一方でした。

本来貸し付けることで金利を受けれるはずが、個人は「権利」のためにお金を支払う必要があることにされてしまっています

この金融システムの混乱は、報酬を受ける側と受けられない側の立場を逆転させ、その後の数年間、世界中でインフレが急増し、債権者(特に日本)の購買力を大いに蝕んでいます。

160通りの通貨を管轄する各国政府は、アメリカ人を含めた人々の貯蓄と賃金の価値をむしばみ、お金の源泉に近い人々に不透明な形で分配する能力を持ちます。

お金が絶えず増加する供給で価値が薄まっていくことで、腐敗した政府官僚や特別な金融業者、大企業など、救済措置を受ける者に富が集中していきます。

実際にリーマンショックで大打撃を受けた多くアメリカの大企業は、政府による優遇措置を受けて倒産を免れています。

それもこれも本来あるべき「人々のための資本主義」そのものが機能していないからです。

結局、問題の核心はシステムを利用する個人やそれを維持する従業員にあるのではなく、「システムそのものが単に時代遅れで破綻している」という点に尽きるのです

ビットコインの登場

1980年代の暗号学者たちが必要としていたのは、「変更不能」「権力分散」「自由参加」「高い透明性」「公開プログラム」などの要素を詰め込んだ、まったく新しい金融システムでした。

インターネットの発展以来、彼らは「分散型デジタル通貨の作成方法」を模索してきました。

1982年にはPC科学者であるDavid Chaumデイヴィッド チャーム氏が、暗号学を用いて「共有データーベースや台帳を維持する方法」の研究論文を発表しています。

1990年から2000年初頭ごろには、Adam氏・Nick氏・Hal氏の3名により、「電力と処理能力を用いてデジタルトークンを作成する方法」が探求されてきました。

これは今で言う「PoW(Proof-Of-Work)」という取引合意システムとして知られています。

2008年には匿名のプログラマーである「サトシ・ナカモト」によってこの考え方が世に広まり、最初の暗号資産(仮想通貨)であるビットコインのホワイトペーパーが発表されました。

この文書では、分散されたノード(PC)のネットワークと取引の作成日時を暗号化もしくはPoWで実現する方法が示されていました。

そして、2009年にプログラムが公開されたソフトウェア(アプリ)としてリリースされたのが、ビットコインでした。

コインチェック

最も安全な暗号資産

ビットコインで注目すべき点は、所有者が直接管理する資産を仲介者を介さず、迅速に送金できることにあります。

これにより19C後半からの取引と決済速度の「溝」が解消されたことになります。

仲介者や信用」を必要とせず、長距離でお金を迅速に送る初めてのケースであり、価値を薄めることのない独自の通貨単位を持ちます。

そして、過去15年間ビットコインはさまざまな方法で改良され、攻撃に対する防御力が試され、競合にコピーされた上で改善の余地があるか検証されてきました。

ビットコインは最大で取引量が多く、力が分散された最も安全な暗号資産であり続けています。

価格変動が激しいものの、価格チャートの各サイクルごとに市場価値と普及においてより高い地点へと到達しています。

誰でもPCやスマホから実行でき、これらのノードはすべて台帳の完全な履歴を保存しています。

また、ユーザーはパスワードを用い、取引に署名してコインの一部をアドレス間で移動するために、手数料を支払う必要もあります。

マイニング

取引の検証を行うマイナーは電力と処理能力を提供し、新しい取引記録(ブロック)を台帳に追加し、報酬として取引手数料と新たなビットコインを受け取ります。

ビットコインネットワークは創設者含めいかなる個人もルール変更できず、コインの価値を失わせたり、取引を検閲することはできません。

ネットワーク上のリーダー(ノードオペレーター)やマイナーの十分な合意を得た上で、不特定多数のノードでもプログラム実行可能なネットワークをアップロードすることはできます。

また追加のネットワーク(レイヤー2)によって取引の処理速度やプログラムの性能を向上できますが、元のネットワーク(レイヤー1=ビットコイン)はシンプルで強固なままであり、最終的に発行上限の2100万枚がマイナーによって生成される予定です。

通貨バブルを打破

ビットコインは、インターネットに接続されてさえいれば、世界中の誰もが送信・持ち運び可能であり、インフレの激しい中央銀行に対して法定通貨の代わりの手段を提供する「分散型のデジタルマネー」として機能します。

このブロックチェーン技術が詰まったアプリによって、人々が閉じ込められている160の異なる法定通貨のバブルを突き破ることができます。

人々はビットコインを他人に直接送れるだけでなく、12個の単語(パスワード)を覚えるだけで自由に持ち運べるようになり、通貨価値の下落と従来の金融機関から自分自身を守ることができます。

世界中の半分以上の人口が、様々な権威の下で生活し、何十億もの人々がインフレの中で生活する世界では、160の通貨の壁を分断し、それらを結びつける能力は侮り難いものがあります。

市場の力が腐敗したシステムをぶち壊す

過去150年間の情報通信時代の中で、グローバルな金融システムはますます権力が集中し、インフレになっていくばかりでした。

ほとんどのテクノロジーは、お金の効率化を図る一方で、「権力の集中」と「制御(コントロール)」という代償を払っています。

ビットコインのような公開されたプログラムの暗号技術が、中央の仲介者や信用を必要とせず、迅速なデジタル決済を促進することで、「力の分散」「効率化」、「デフレ(物価安)」傾向の貨幣システムへの道を切り開いたと言えます。

お金は共通の台帳であり、誰が管理するかが肝心です。

現代のお金は160の異なる方法で権力が集中し、閉鎖的な中で腐敗し、破綻しています。

デジタル社会において「お金」というシステムを立て直すためには、権限を偏らせず分散し、情報をオープンにする方法を採用し、人々を一人一人強化させながら、社会を分断する金融の壁を打ち砕く必要があります。

公開されたプログラムによるマネーでは、誰でも「所有」や「送信」、「運用」が可能となり、誰でもそれを改善する新しい技術を構築でき、国境を超えて全ての人を結びつけることになります。

これからの時代、お金は中央銀行が管理するのではなく、市場つまりシステムの利用者によって成立していくことになると思われます。

コインチェック

まとめ

以上がお金の歴史からビットコインの台頭までの解説でした。

ビットコインがなぜここまで必要とされるのか、これで何となくお分かりいただけたでしょうか?

以下まとめになります。

  • 「お金」というのは支払いと貯蓄のための「台帳記録」である。
  • 紙幣を延々と増刷することで、金融システムに依存せざるを得ない状況を作り、インフレによってシステムを動かす側の人間(政府・中央銀行)に利益を吸い上げられる構図となる。
  • 古代の貨幣システムは、「モノ」と「信用」または物々交換で成り立っていた。
  • 「銀行」は口頭や文書で契約を管理するようになってから誕生した。
  • 紙幣の増刷は中世ヨーロッパの銀行家(高利貸し)が「金の預金証書」として配っていたのが始まり。
  • WWⅠがきっかけとなった戦費調達のための紙幣の大量増刷が、インフレを招き、金本位制の時代は膜を閉じていく。
  • WWⅡでアメリカが戦勝国となったことで、金や世界中の通貨を「米ドル」と連動させて「ブレトンウッズ体制」を築いた。
  • ニクソンショックでブレトンウッズ体制崩壊した後、アメリカは経済力と軍事力で持ってサウジをはじめとしたOPEC諸国との石油貿易を米ドルで取引させ、「ペトロダラー体制」を現在に至るまで維持している。
  • 世界はFRB(米連銀)の台帳に基づいてお金が定義され、日本を含んだ国々は米ドルを準備金として保有することで国際貿易を行い、世界中のお金はアメリカに集まるようになっている
  • 世界はドルの基軸通貨体制によって、インフレが急増し、債権者の購買力を侵食したことで、お金の本来あるべき意味がなくなった。
  • リーマンショック後の2009年にビットコインが登場したことにより、仲介者を必要としない送金システムが出来上がり、価値が薄まることのない独自の資産が誕生した。
  • ブロックチェーンの変更不能な台帳技術により「力の分散」「自由参加」「デフレ」が可能となり、法定通貨バブルに終止符を打つ時期が到来中。

近年の世界の動きとして、BRICS(ロシアと中国主導)やCPTPP(アメリカ抜きのTPP)が台頭してきているのも、ドル崩壊の流れを組んでのことです。

そういった意味で、トランプ政権はこれまでの世代の負債を背負わされていると言えます。

ビットコインはこれからの時代にどのような影響をもたらすのか、日々目が離せない出来事が目の前で起きています。

以上となります。

かなりざっくりとした内容であるため不足分もありますが、できる限り要点を押さえましたのでご了承ください。

ここまでご一読いただき、ありがとうございました。🙇

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